日本兵が身投げをしたサイパンの地で…

会社の社員旅行でサイパンを訪れた時の話です。私は先輩と、翌日訪れるバンザイクリフの話をしていました。日本兵や民間人が身投げをした場所です。先輩はとても霊感が強く「できたら、行きたくないな」と話していました。

当日は気持ちの良い青空、目の前には青い海が広がっています。バスから降りて観光するはずでしたが、先輩は「頭痛と寒気がする」と言い、バスから降りません。私はこんな崖から、いったいどんな思いで身投げしたのだろうかと思いました。その場で一礼と合掌をしてバスに戻りました。

その日の夜、眠くなってきたのでベッドに入りますが、なかなか寝付けません。ホテルの通路からバタバタ、コツコツと足音がします。気になるので、ドアから外を覗いてみると誰もいません。気を取り直して眠りましたが、一晩中足音が聞こえていたと思います。

翌朝になって先輩と朝食に出かけた時、足音を聞いた話をしてみると、こんな興味深い話をしてくれました。「怖がるかと思って言わなかったけど、実は昨日バスタブに日本兵が座っているのを見たの」。背筋が凍るような思いをしましたが、その日本兵の霊は日本人が懐かしくなって、私たちの前に現れたのかもしれません。

まきお 40代