聞こえるはずのない足音

私が大学生の時に友人の下宿先で起こった話です。友人の下宿先はとても古い建物で、下宿できる部屋は4部屋しかありませんでした。その下宿先は友人と同じ大学の人もいましたが、別の学校に通っている人もいたようでした。

その時は、友人以外の下宿人のことにあまり興味がありませんでしたが、友人の部屋に泊まるたびに夜中の二時ごろになると部屋の前を横切る足音がなんとなく気になっていました。友人の部屋に遊びに行くときにはいつも三人以上で訪れていましたが、ゲームをしたりおしゃべりに夢中になったりで、いつも寝る時間は日が昇るころだったことがほとんどです。

ですので、その足音はいつも全員で聞いていました。外階段をカンカンと上る音と、部屋を横切る足音の両方です。ある時、何気なく下宿しているその友人に、「いつも夜中に帰ってくる人、バイトか何かかな?こんな遅い時間まで何のバイトだろうね?」と尋ねると、「ああ、あの足音、誰かが泊まりに来るといつも聞こえるんだけど、この部屋の先に住んでいる人は誰もいないんだよね」と言われました。

しかし友人の部屋は端から二番目で、その先は空き部屋になっているとのこと。それを聞いてあまりに怖かったので、それが何か確かめるために足音が聞こえる時間にドアの前で他の友人たち5人と張っていたのですが、それ以降足音が聞こえることは二度とありませんでした。

natsuo 20代